ブラウンライス20年の歩み

2023.04.21 コラム
2003年4月、東京・表参道「ニールズヤード グリーン スクエア」の一角で小さなカフェとして始まったブラウンライスは、今年で20年目を迎えました。 知る人ぞ知る存在だった小さなカフェは、世界中からお客様がいらっしゃるレストランになった今でも、同じ場所で、変わらぬポリシーで、小さな1店舗だけ。 心も体も満たされる「食」の時間のために、毎日コツコツと料理を作り続けています。

ブラウンライスの誕生

「健康で幸せに生きることで美しさが生まれる」と考えるニールズヤード レメディーズは、自然療法に基づいた体と心のつながりを大切に考えるライフスタイルを提案しています。 ニールズヤードジャパン代表 梶原の『外側からのアプローチがニールズヤードなら、もっと内側からのアプローチ=食から健康を考える場所も必要では?』の想いから、ブラウンライスの構想は生まれました。 日本人の身体は、長い時間をかけて培った和食の文化が作り上げてきました。 世界でもトップクラスの長寿の国を作った伝統的な発酵食や和食の知恵は、私たちが誇るべき文化。たくさんの人に和食の良さを再発見してもらう場所を作れたら… 2003年、自然食材や環境に配慮した生活用品を販売していたタカコ・ナカムラ氏が率いるブラウンライス(株)と共同作業で、ニールズヤード表参道本店の奥に「和食」をテーマにした小さなカフェがスタートしました。

食べ物も、環境もあわせて「Whole Food」だから

ブラウンライスの変わらぬコンセプトのひとつ「Whole Food(ホールフード=一物全体)」は、ブラウンライスの哲学の基礎を作った考え方です。 食材はまるごと全部食べるほうが体によいという概念の言葉ですが、丸ごと食べるためには安全であることが大切。そして、安全な食べ物作り出すためにも、環境と暮らし全体を考えた Whole Food Life Style こそがブラウンライスにとってのWhole Food。 この考え方が、初期のブラウンライスを形作りました。 ブラウンライスは「食べ物は情報」と考えます。 食材には、どんな環境で、どんな人が、どのように育てて、どう運ばれて…などのそれまでの情報が詰まっています。私たちは、食事を通してその情報を体に取り入れているのです。 だからこそ、私たちは、スタッフ自ら現地に赴き、自分の目で見て、味わい、生産者の人柄にまで触れて素材を選びました。スタート時に出会った玄米や味噌などブラウンライスの料理の軸となる食材は、この20年間同じ生産者のものを使い続けています。 また、当時ではまだ珍しかった再生可能エネルギーを一部使ったエコビルのなかで、インテリアやテラスの木材に至るまで、環境に配慮したお店づくりにこだわりました。

「デリおもて」の試み

カフェのオープンから3年後の2006年、お惣菜やデザートのテイクアウト専門店「デリおもて」を併設オープン。店名の「おもて」には、「おもてなしの心」、裏のない「おもての部分」などの意味を込めました。 さらに2011年には東京駅構内、松屋銀座にもオープン。「デリおもて」では、ブラウンライスこだわりの調味料や食材なども一緒に販売し、より気軽にブラウンライスの美味しさを試していただける場として、好評いただきました。 現在「デリおもて」は終了していますが、引き続きニールズヤード レメディーズのオンラインショップで、ブラウンライスこだわりのオリジナル商品やセレクト商品を販売しています。

さらに磨きをかけて、上質なレストランへ

2014年9月、ブラウンライスは店舗を改装し、全面リニューアルオープン。 それまでの、和食、ホールフード、環境といった変わらぬコンセプトはそのままに、さらに一歩進んだ『日本の伝統を感じさせる豊かな空間で、日本人が忘れかけた「丁寧に生活する」ライフスタイルを提案する場所』へと生まれ変わり、今のブラウンライスのかたちとなりました。 八雲茶寮などを手掛ける「SIMPLICITY(シンプリシティ)」代表の緒方慎一郎氏がデザインを手がけた内装は、ブラウンライスのこだわりのすべてを表現。北陸地方の打ち出し技術を用いた銅製のカウンターや、漆喰など日本の伝統技術を空間に取り入れました。 また、味わうだけではなく見る喜びも感じられるよう、スタッフ自ら現地に赴いて買い付けた器は、九谷焼の小皿や益子焼の皿など職人の手作りによるもの。日本各地に息づくクラフトマンシップを守る取組みにも挑戦しています。 2021年にはブラウンライスが入る「ニールズヤード グリーンスクエア」のビル屋上に屋上菜園を設置し「Farm to Table」を実践。レストランで使用する野菜やハーブ、店内を飾る草花を栽培しています。 また、2022年には初めてのコース仕立ての特別メニュー「ハレの日御膳」の提供も開始。少し特別な日にもブラウンライスを選んでいただけるよう、料理にも新たな試みを続けています。

これからも店舗はひとつ。本質を守り続ける

ブラウンライスはこれからも、世界観を濃く、変わらぬコンセプトを守り続けていくために表参道の路地裏にひっそりとたたずむ小さなレストランであり続けます。 「食」と「食」をとりまくすべての要素で、訪れたすべての方の心と体を癒し、リセットできる場所に。緑豊かな小さなこの場所が、みなさまにとっての心のオアシスとなるように。 これからも、小さなレストランのなかでは、日々試行錯誤。 今日も朝から野菜についた土を洗うところから、1日がスタートしています。 ぜひ、表参道へお越しの際は、気軽にお立ち寄りくださいね。 一覧にもどる